「傷つく」ということ


このところ本の紹介ばかりしていますが
懲りずにもう一冊^^;

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傷つくならば、それは「愛」ではない

チャック・スペザーノ/著 大空 夢湧子/翻訳 (ヴォイス出版)






この本、ほんとうに良いんです。でも高いんですけどね^^;
ぶ厚くて重いけど、そのぶん中身をとても読みやすく作っています。
文庫版出してくれないかな~。そしたらバッグに入れて持ち歩くんだけど...!

私の筆では、この本の良さが上手く表現できないので
リンク先のカスタマーレビューを参考にしていただくとして...。

今年の2月に、私はこんな記事を書きました。








この記事で表現した思いは、
夫婦関係を試行錯誤しつづけてきた私がたどり着いた ひとつの到達点というか、
いくつかの 大きな気づきの一つでした。

夫とのやりとりの中で、いつもいつも自分に返ってくる問いがあって
それは、私が気に入っている仏教の教えとも通じることなのですが...。

私は将来、誰からも傷つけられることのないような人間になれるのではないか。
いや“なれる”というよりも、
「ほんとうの私」とは、他人から傷つけられるということはあり得ない...
そういう存在なのではないか。

非現実的で、非人間的とも思えますが...。
夫との関係を 深いところで見つめていく過程で
心の奥に生まれたその可能性を 否定できなくなってきたのです。

あの頃、よくコメントをくださっていた水月さんへのレスで
私はこんなことを書いています。

私はこの頃「傷つく」ということも、
自分の中の何かが刺激されるからなんだろうなぁという気がしています。
自分の中に自分の尊厳を信じられる心があれば、
他人がその尊厳を傷つけることはできないんじゃないかなって。
だから「傷つけられた!」と感じるときは、
自分がそれだけ脆い自尊心しかないってことなのかなぁと。
傷つくことを避ける人間ではなくて、
誰にも傷つけられることのない、まるい心を持った人間になりたいです。
そのために必要なのは、傷ついたときには「傷ついた」としっかり感じることなんだろうと思います。


この思いは、基本的には今も変わっていなくて、
自分が傷ついた時に、それを全面的に夫のせいにすることはなくなったなぁと思います。
心の状態が良くないと ときどきやってしまうんですけど...^^

人間だから、喜怒哀楽があるのは当然のことだとも思うんですけど
怒りや恨み...それから、傷ついたときに湧いてくる“自分が小さくなる感じ”は
減らしていくことができるというか、
本当に必要なときだけ、それらの感情を味わうことが出来るようになるのでは...と、
そう 思っています。

面白いことに“傷つく”という感情に対して関心が湧いてきて、
あのような記事を書いた頃に この本を見つけ、
「わあー!やっぱりそう思ってる人っているんだぁ~!」
と、ちょっと嬉しくなって購入してきたのです。

で...その頃読んでみて、良い内容だな とは思ったものの
つい最近、手持ちの本をまとめて整理したときには なぜかあまり思い入れを感じられず、
処分するほうに入れてしまっていたのですが...。

BOOK OFFに売る直前になって、書店のカバーを外す作業をしていたとき
出版社のカードが挟んであったページが、パラッと開いたんですね。

何気なくそのページの見出しを見たら、私は読まずにいられなくなって、
さらに読んでいるうちに 号泣してしまったんです。
たまたまですが、そのページの内容が、
そのとき私が抱えていた問題に、見事なくらいリンクしていて...。

ああこの本は売ってはいけない!と気づき、
手元に残して 直感的に惹かれるページを見つけては拾い読みしています。

面白いことに、以前読んだときよりも実感を伴って心に入ってくるというか
よりダイレクトに響いてきます。
ワインが熟成されている間に、自分自身もちょっと大人になって
深い味わいが分かるようになった...みたいな。

本と自分との関係にも“時”があるんですね。

また、この本がそれだけ“深くて広い”内容なのだなぁと思います。
読んだときの心の状態や 成熟度によって、
少しずつ、読みとれる範囲が深くなり、また拡大していってる感じです。

とりあえずホント、値段が高いんですけどね。
映画一本観たつもりで買って、手元に置いておかれると 末永く重宝すると思います。
(処分しようとしてた私が言っても説得力ないけど...^^;)
「なんだかよく分からない」と思ったり、反発を感じるような部分があっても
何年か経って読み返したりすると、新たな視点が得られると思います。

傷つかない自分になる...と言っても、
それは無理したり我慢したり犠牲になることでは無いと、私は考えています。

自分を大切にすることと、相手を認めてあげることとは両立する。

多分に直感的なものですが、そう信じられるだけのものが
自分の中に積みあがってきているなぁと感じています。

生育歴や過去の過ちは整理された。
今はそれを手放しつつある...という人が
目の前で“人と人との間に生まれるもの”に目を向け始めたとき。

“今この瞬間”二人の間に何が起こっているの?
それをどうしたら良い方向に持っていけるの?
そのために自分には何ができるの?

そんな疑問が湧いてきたとき。

自分を理想のイメージになぞらえて、無理を重ねて、疲れきって、
できなくてできなくて自分を責めて、
自分がどんどん小さくなるのではなくて...。

まず自分が とらわれや しがみつきから 自由になること。
手放して、ゆるされて、解き放たれること。
それから、新しい視点で ゆったりと相手と向き合うこと。

そんな道筋へ、優しく導いてくれる 素敵な本です。
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by marca-mia | 2006-11-04 01:46 | 観た・読んだ・聴いた


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