被害者=傷ついている人(1)


身近な人に傷つけられ、尚且つその相手とともに暮らしていくのは
辛いことですね...。

夫の不倫を知る前の私は、
こんなにも、過去という怪物の脅威を感じたことはありませんでした。

幸いにも、不倫があったことでもたらされたのは
苦しみだけではありませんでしたし
不倫という衝撃的な事件があったお陰で、
たくさんの気づきを得ることができたと思います。

夫のしたことを知ったから、今の私がある。
それだけ見れば、過去に起こったことには意義があったとも言えます。


...それでも
得たものの大きさに感謝しつつも、
それと引き換えでもいいから、何も知らなかったあの頃に戻りたい...。

そんな気持ちが押し寄せてきてしまうことがあります。







子供の頃...
近所に ジョンという名の放し飼いの犬がいました。
ジョンは、昔 バイクに轢かれたために、足に後遺症がありました。

轢かれたのは、何年も前のことなのに
バイクが通る度に、ジョンは あらん限りの声で吠え、
その姿が見えなくなるまで 全速力で追いかけていました。


ジョンは、自分の行動を制御できなかった。
バイクを敵視したまま 死んでいきました。
バイクを恐れたまま、一生を送りました。



自分があの犬になったように感じることがあります。




自分で抱えきれないような 大きな傷を負ってしまった人は
あまりの衝撃で心が混乱して
傷の深さと 痛みの強さとを 混同してしまうのかも知れない。


「古傷が疼く」と言う。
実際に痛みが発生することもあるけど
精神的な痛みを表現していることが多い。


傷そのものが良くなっていったとしても
傷跡を見て痛みを感じているならば、その人はまだ癒されていない。


私が夫に、私の思いを受けとめてほしいと願うのも
弱い自分をありのままに認め合い 親密な夫婦関係を築きたい...ということとは別に、
いつまでも 繰り返し繰り返し湧き上がってくる痛みを
消してしまいたいからなのかなと思う。
行き場のない感情の 受け皿になってほしいのだ。



夫は「もう君の傷は治っているよ!」と言いたいのかも知れない。



ジョンの姿を見て、私が心を痛めていたように
「もうあれは過去のことだよ!」
「今は何も痛いことは無いはずなんだよ!」と、教えたいのかも知れない。



過去という亡霊を切り離して 純粋に「今ここ」だけを見ることが出来れば
その痛みは幻でしか無いものと、頭では分かる。
痛みを感じていない時間も、確かに存在するのだから...。



だとすれば。



私の無意識は、この痛みを 敢えて選んでいることになる。
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by marca-mia | 2007-02-16 23:27 | 思うこと・夫婦


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